昭和33年度の一橋大学受験生向けの国語の傾向と対策

1958年度(昭和33年度)の一橋大学受験生向けの赤本(教学社)に載っていた一橋大学の『傾向と対策』p 15, 16の『国語』の一部を載せてみる。

ただし、ブログ記事であるので、入力方法を変更したところがある。






傾向と対策

国語

【昭和30年度】
文学史・書取(1題) 西行論・和歌の濁点
現代文・和歌(2題) 慣用的解釈・文語文
漢文(1題) (漢文)荘子

【昭和31年度】
現代文(2題) 評論(森鷗外)・随筆 出典:鷗外全集 (幸田文)(慣用句) 出典:幸田文”紙”
古文(1題) 保元物語(本文批評)
和歌・文法(1題) 古今・拾遺(濁点・文法)

【昭和32年度】
現代文・文法・書取(2題) 愛憎論・万葉(万葉仮名)
文法(1題) 万葉・古今(形容詞活用)
古文(1題) 源氏物語(句読・濁点) 出典:橋姫
文学史(1題)俳諧史 出典:大隈言道(ひとりごち) 

 昨年までの必答2問, 選択2問中1問であったのに対し, 32年度は必答が3問にふえている。現代文は, 30年度の西行論, 31年度の森鷗外全集からの評論についで, 32年度は, 万葉集に基礎をおいた愛憎論が出ている。いずれも文学史的な基盤に立ったむずかしい問題である。一方にまた30年度の漢文書下しのような現代文や, 31年の幸田文の随筆「紙」からの出題に見られたような慣用句やイディオムの解説がとりあげられているのが特徴である。古文は従来の頼山陽書簡や吾妻鏡のような特殊な作品からの出題のあとを継いで, 31年度は保元物語から本文批評まがいの難問が出たが, 32年度は, 源氏物語「橋姫」の巻頭から出題されているので, 代表的な作品から出題されたことになる。しかしこれでもまた, 句点は一字あけになっているが, 読点も濁点もないので, 古典読解の本質的な修練を経ていない者にとっては難問になる。30年度の和歌の濁点, 31年度の和歌の濁点・文法問題に次ぐもので, 本学受験者は句読・濁点のない古文(特に和歌)を読破する力が絶対的に必要である。30・31両年度は平易なものであったが, 32年度は万葉・古今の形容詞の活用問題は奈良朝文法の知識がない者には解けない。特に形容詞の活用については, 一般文法とは異なった活用図に基いた解答を要求しているから, 本学亀井孝教授の著「新編文語文法」(大和文庫)を一読しておく必要がある。今後も和歌の文法的解釈は必ず出題されるであろうから, 本書の用例は暗記するくらいに徹底させておくがよかろう。説明が要を得ている上に, 必要な箇所に口語訳がしてある。文学史は大隈言道「ひとりごち」によって俳諧史が出ている。漢文は昨年に続いて出題されなかった。文字力は熟語構成力をも試す問題で, 新機軸。国語学的な問題にもなっている。






以下、私の考えを書いておく。

上記の文章を読んで、一橋大学に合格するために、小学校・中学校・高校で学んでいることだけでは足りないように思ったかもしれない。

しかし、1960年(昭和35年)11月実施 旺文社模試では、一橋大学の合格者平均点の得点率は62.1%~64.7%であり、低かった。
駿台模試の話ではない。
問題が易しい旺文社模試なのにこんなに低かったのである。

したがって、難問を解くことができなくても合格できたことがわかる。

特殊事情がない限り、基礎ができてない者が難問を解くことができるわけがない。
それに、年度については、昭和33年度からほんの2年間しか経過してない。
この程度の年数で一橋大の人気が凋落したと考えることは不自然である。

それに、1959年度(昭和34年度)ごろの一橋大学の第2次試験の合格者最低点の得点率の目安も58%~63%程度であり、低かった。

年度については昭和33年度からほんの1年間しか経過してない。
この程度の年数で一橋大の人気が凋落したと考えることは不自然である。

そういう点からも、難問を解くことができなくても合格できたことがわかる。

以上より、小学校・中学校・高校で学んでいることを中心にして勉強していけば合格できたことがわかる。



このへんは
『旺文社模試(昭和35年11月実施)なのに東大文科Ⅰ類の合格者平均は7割未満だった。』(2020年1月16日)
https://supplementary.at.webry.info/202001/article_5.html
『昭和35年度一橋大学受験生向けの大学案内(合否の目安・就職状況)』(2020年1月4日)
https://supplementary.at.webry.info/202001/article_4.html
で述べた。




【1960年(昭和35年)11月実施 旺文社模試の合格者平均点】
一橋大(経済学部) 220点(得点率:64.7%)← 旧商大
一橋大(法学部) 216点(得点率:63.5%)← 旧商大
一橋大(社会学部) 213点(得点率:62.6%)← 旧商大
一橋大(商学部) 211点(得点率:62.1%)← 旧商大







【1959年度(昭和34年度)ごろの一橋大学の第2次試験の合格者最低点の得点率の目安】
(大学当局からは合格者最低点は非公表であった。しかし、当時の赤本(教学社)に載っていた「大学案内」の「合否の目安」に目安が載っていたので、それをもとにして私がまとめたもの)

商学部:504点程度(800点満点)(得点率:63%程度)

経済学部:504点程度(800点満点)(得点率:63%程度)

法学部:480点程度(800点満点)(得点率:60%程度)

社会学部:464点程度(800点満点)(得点率:58%程度)




せっかくだから、国立大学で大学入学共通テスト・個別試験に国語があり、かつ、その大学の大学別模試の国語の過去問集がある場合の現在の受験生におすすめの国語の勉強法を書いておく。

【現代文】
① 大学入試センター試験の過去問集のうち、国語の現代文を解く。

大学入学共通テストは、大学入試センター試験の過去問と傾向が異なっているかもしれないと不安かもしれないが、本当に新しい傾向の問題では、差はつかない。
なぜならば、本当に新しい傾向の問題といえども、大学入試センター試験の過去問をまじめに解いたり、高校で学んでいる古文文法の薄い本・高校で学んでいる漢文句形の本をまじめに熟読している人(高校では何回も熟読するようにと指導する)であれば、皆ができる問題、または、そういうことをしていても、ほとんどの人が解けない問題のいずれかに分かれるのが普通である。
後者ができようができまいが差はつかない。
したがって、制度が変わるからといって、大学入試センター試験の過去問を無視することはお勧めしない。
このことは、国語だけでなく、大学入試センター試験の全科目であてはまる。

大多数の問題は、公立高校入試の国語を解くことができるようになったら、解くことができるようになっている。
一部、古文・漢文の知識が必要な問題があるが、そういうものは、後回しにする。

解き方は、次の通り。
② 解く。ただし、制限時間を気にする必要はないし、マークする必要もなく、計算用紙にでも答えを書いておけばよい。問題集のように解く。
③ 答え合わせをする。
④ 間違えた問題に印をつける。解説を参考にしながら、本文のどこを読んでいれば、正答できたかを確認し、本文の該当する箇所を赤鉛筆(または 赤ペン)で囲む。
⑤ 翌日以降のどこかで、印のついた問題を、赤鉛筆(または 赤ペン)で囲まれたところだけを読みながら解く。
さらに間違えた場合、さらに翌日以降のどこかで…(解くことができるようになるまでこの繰り返し。)
その後、実際に受験する予定の大学の個別試験の過去問の国語の現代文・実際に受験する予定の大学の個別試験の大学別模試の過去問の国語の現代文を同様に解く。
古文・漢文の知識が必要な過去問などは、授業で、古文の文法が一通り、終わったとき(高校で学んでいる文法の薄い本を一通り終わったとき)・授業で、漢文の句形が一通り、終わったとき(高校で学んでいる句形の本を一通り終わったとき)以降に上記のことを行えばよい。

【古文】
授業で、古文の文法が一通り、終わったとき(高校で学んでいる文法の薄い本を一通り終わったとき)以降に、次のように行う。
① 解く。ただし、制限時間を気にする必要はないし、マークする必要もなく、計算用紙にでも答えを書いておけばよい。問題集のように解く。
このとき、本文で現代語訳に自信がない単語・語句は、印をつけておく。
② 答え合わせをする。
③ 間違えた問題に印をつける。解説を参考にしながら、本文のどこを読んでいれば、正答できたかを確認し、本文の該当する箇所を赤鉛筆(または 赤ペン)で囲む。
 本文で印をつけた箇所の現代語訳で間違っていた箇所を、赤鉛筆(または 赤ペン)で囲む。そして、古文単語のごろ合わせの単語集にそれが載っているかどうかをチェックし
載っていたら、そのごろ合わせを、解説のところにでも書きこんでおく。
④ 翌日以降のどこかで、印のついた問題を、赤鉛筆(または 赤ペン)で囲まれたところだけを読みながら解く。本文で印をつけた箇所の現代語訳もやってみる。
⑤ さらに間違えた場合、さらに翌日以降のどこかで…(解くことができるようになるまでこの繰り返し。)

その後、実際に受験する予定の大学の個別試験の過去問の国語の古文・実際に受験する予定の大学の個別試験の大学別模試の過去問の国語の古文を同様に解く。

【漢文】
授業で、漢文の句形が一通り、終わったとき(高校で学んでいる句形の本を一通り終わったとき)以降に、次のように行う。
① 解く。ただし、制限時間を気にする必要はないし、マークする必要もなく、計算用紙にでも答えを書いておけばよい。問題集のように解く。
このとき、本文で現代語訳に自信がない単語・語句は、印をつけておく。
② 答え合わせをする。
③ 間違えた問題に印をつける。解説を参考にしながら、本文のどこを読んでいれば、正答できたかを確認し、本文の該当する箇所を赤鉛筆(または 赤ペン)で囲む。
 本文で印をつけた箇所の現代語訳で間違っていた箇所を、赤鉛筆(または 赤ペン)で囲む。
④ 翌日以降のどこかで、印のついた問題を、赤鉛筆(または 赤ペン)で囲まれたところだけを読みながら解く。本文で印をつけた箇所の現代語訳もやってみる。
⑤ さらに間違えた場合、さらに翌日以降のどこかで…(解くことができるようになるまでこの繰り返し。)

その後、実際に受験する予定の大学の個別試験の過去問の国語の漢文・実際に受験する予定の大学の個別試験の大学別模試の過去問の国語の漢文を同様に解く。



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