産業経済新聞 大阪版 昭和29年(1954年)10月6日 水曜日 7面 上記新聞記事からは、昭和29年頃までの高校では、選択科目が多かったのではないかということが読解できる。 以下、余談の箇所まで、現時点で、私が理想としている教育の一部を記載する。 私は、現行の高校に選択科目がそれなりにあるのは問題であると思っている(←以下、大学に進学する生徒の割合が多い高校を想定する。工業高校、商業高校などはここでは、想定しない)。 高校に選択科目があるということは、大学入試にも選択科目があるということである。ということは、大学入試でどの科目を選択するかで、合否が決定するという事態が起きかねない。そういう事態になると、高校生は、どの科目を選択するかの情報収集をして、検討することに多大な時間を費やすことになるだろう。そういうくだらないことに時間を費やせるのは余りにも無駄である。そういう時間は、勉学や、将来の進路を決定するための情報収集、レジャーなどに当てた方が、高校生にとっても有意義だろうから。 もちろん、そういう事態を避けるために大学側で選択科目の出題内容などを調整するという方法もあるが、そういう調整はなかなかうまくいかないものである。 したがって、現行の高校で、科目を選択するという方法はやめて、全生徒に、 国語、地理歴史(世界史B,日本史B, 地理B)、公民(倫理、政治経済、現代社会)、数学(数学T、数学U、数学V、数学A、数学B、数学C)、理科(物理T、物理U、化学T、化学U、生物T、生物U、地学T、地学U )、保健体育、芸術(音楽T、音楽U、音楽V、美術T、美術U、美術V、工芸T、工芸U、工芸V、書道T、書道U、書道V )、英語、家庭、情報を必修科目として履修させるべきである。 もっとも、高校の3年間では、上記科目を全て履修させるのは、時間的に無理だろう。したがって、上記科目のうち、理科の実験や実習以外の実技の部分(←体育でバレーボールをすること、美術で絵を描くことなど)は、除くものとする。 それでも、まだ、高校の3年間では、上記科目を全て履修させるのは、時間的に無理だろう。そこで、大学に入ってから、1年目〜2年目(←以下、話がややこしくなるので、便宜上、「大学の教養課程」と呼ぶことにする)も、そういう履修に当てさせることとする。 読者の中には、大学の教養課程には、そこで学ぶべき科目があるから、それ以外の科目を履修する時間的余裕はないと考える人もいるかもしれない。 しかし、ほとんどの大学の教養課程では、そのようなことは杞憂であると思われる。 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/tour/nobel/noyori/p2.html からの下記引用を参照してもらいたい。ちなみに、引用中の野依博士とは、現在、教育再生会議座長として、新聞などのマスコミで話題になることもある野依良治氏のことである。 1957年、野依博士は第一希望の京都大学工学部へ進学しました。工学部はみんながあこがれていた花形の学部でした。しかし野依博士はあまり勉強をせずに、大学に入ってから覚えた麻雀や酒にあけくれる日々を送っていました。さらに、自分で作った野球チームのメンバーたちと酔っぱらって商店のショーウィンドーを壊すという大事件をおこしてしまいました。 少なくとも、1957年(昭和32年)当時の京都大学工学部の教養課程では、時間的余裕がたっぷりあったことがわかる。 なお、本論とは関係ないが、野依良治氏の発言を知りたかったら、下記ブログ記事もお薦めである。 http://plaza.rakuten.co.jp/shounenhanzai07/diary/20070630/ また、大学の教養課程は大学から独立させるべきだろう。つまり、大学の教養課程を修了した後に、入試を行って、現行の大学の3年目以降(←以下、話がややこしくなるので、便宜上、「大学の専門課程」と呼ぶ)に進ませるべきだろう。例えば、高校生が、札幌大学の教養課程に進学した後、入試を受けて、合格したら、京都大学の専門課程に進学できるようにする。 このようにすれば、上記引用のように、大学の教養課程で無駄な時間を費やす者も激減するだろう。大学の教養課程でほとんど、勉学をしなければ、大学の専門課程は非常にレベルの低いところに進学する羽目になるのだから。 また、このようにすれば、学生が講義を、現状よりさらに熱心にきき、家庭での勉学も熱心にするようになるので、大学の教養課程の教官(講師など)は喜ぶだろう。 さらに、田舎の経営難の私立大学も、経営が良くなる可能性がある。というのも、現状では、田舎の高校生が、高校を卒業した後、都会の大学卒の学歴を得たかったら、都会の大学の教養課程に進学する以外の方法はない(←もちろん、例外もあるが、ほとんどの人の場合、こうである)が、東京大学や京都大学などの人気のある専門課程の入試対策さえすれば、田舎の高校生が、そういう私立大学の教養課程に進学する可能性があるからである。 もちろん、高校、大学の教養課程で学ぶ科目は文部科学省が全国一律に決定するべきであるし、さらに、大学の教養課程の入試、大学の専門課程の入試には、高校、大学の教養課程で学ぶ科目の配点割合をある程度、文部科学省が決め(←例えば、高校で学ぶ世界史の入試配点は、大学の教養課程における入試の点数の合計の2%以上、なければならないなど)、それを守らない大学は、つぶすべきだろう。大学の教育は、学生のためにあるのであって、大学当局のためにあるのではないのだから。 余談であるが、昭和40年代の北海道内の高校でも、未履修はあったらしい。せっかくだから、下記に、載せる。ただし、投稿者の実名はプライバシー保護のため、省略した。なお、下記引用は、北海道内の某市立図書館で紙にコピーしたものを手入力したものである。ちなみに、その某市は、『昭和61年 全国人口・世帯数表』によれば、人口が15万人以上、35万人以下であった。 北海道新聞 夕刊 昭和43年(1968年)4月30日 火曜日 6版 2面 読者の声 この読者投稿を読んで、私が この学年主任の先生は、いいことをいっているな〜。もっとも、実際には、1日4時間どころか、1日30分以上、勉強した生徒さえほとんどいなかっただろう。また、授業を真面目に聞き、1日、2〜3時間も家庭学習していれば、東大文科や京大の文系への合格間違いなしという状態であったはずである。 と思ったのはいうまでもない。 ちなみに、この読者投稿で、娘が通学している高校は、北海道内の公立高校であると推定されるが、昭和41年度〜昭和47年度の北海道の道立高校の通学区域(学区)制度は、大学区制であり、学区数は8個であった。具体的には、全道8学区の大学区制であり、学区外就学枠は10%であった。 せっかくだから、『昭和61年 全国人口・世帯数表』による北海道内の市人口上位10位などを書いてみる。 第1位:札幌市:約152万9千人 ついでに、『第五十四回 日本統計年鑑』(平成16年11月発行。編集:総務省統計局。発行:日本統計協会。毎日新聞社。ISBN:4822329593)p 37の『2-5 都市別人口(平成15年)』による平成15年(2003年)の北海道内の市人口上位10位などを書いてみる。なお、赤字は、昭和61年より人口が増えた市、青字が昭和61年より人口が減った市である。 第1位:札幌市:183万7901人 ちなみに、昭和25年頃の大阪府の公立高入試についても、記載されている http://kinran.jp/seminar/107/index.html の『28年卒 男性のお話』によれば 入試は府下一斉のアチーブメント・テスト(achievement test)で行われ、全ての大阪府立高校で同一の内容、英語は無し。 だったらしい。 せっかくだから、原因が不可解な自殺の新聞記事を下記に載せる。 北海道新聞 昭和43年(1968年)4月5日 金曜日 16版 15面 まず、入試のために、睡眠時間を削って、勉強する必要は全く ない ことを、書いておく。 このことは、私が書いたブログ記事である http://supplementary.at.webry.info/200705/article_14.html の『教育改革の幻想』(著者:苅谷剛彦。発行所:株式会社 筑摩書房。2002年1月20日第1刷発行。2004年4月10日第8刷発行。ちくま新書329 ISBN:4480059296)を引用した箇所を読めば実感できるだろう。 それにしても、上記新聞記事の自殺の原因は、不可解である。浜頓別高校に入学してから、高校に失望したというわけでないのに、入学前に自殺しているのだから。しかも、下層階級というわけではなく、中以上の農家の長男なのだから。 【おまけ】(←2007年6月7日以降に記載した) 野依良治氏の出生〜高校時代までは、下記サイトにも記載されているので、そのURLを載せる。 http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C939037033/E20070208183746/index.html ところで、新聞記事の著作権は原則として、公表後50年であるらしい。そのへんに関しては、下記サイト参照。 『フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%9C%9F%E9%96%93 なお、このブログ記事に関しては、自由に使用してよいものとする。ただし、昭和43年の北海道新聞について、引用したい場合は、自己責任で引用してください。さらに、特殊な漢字や文字、用法が用いられていたが、現在、一般的に用いられているであろう漢字や文字、用法に直して載せたことも念のため、断っておく。 ちなみに、産業経済新聞大阪版は、大阪府立中央図書館で紙にコピーしたものを手入力したものである。 |
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